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第149回「中国理解を深めた辺境の旅」

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先週に続き、今週も中国関係の法律に詳しい弁護士、野田雄二朗さんをゲストにお迎えしています。
野田さんは、中国旅行、それも辺境へ行き、土地の人たちと交流をする旅がお好きなようです。
今日は野田さんが中国に惹かれる原点の、辺境の旅のお話をお聞きしました。

先週は中国の法律関係のお話を色々お聞きしましたが、今週はすこし角度を変えて、野田さんと中国のかかわりについて、お伺いして行こうと思っています。
  野田さんが中国に関心を持たれたのは、いつごろ、どんな理由だったんですか。

「子どもの頃から三国志、史記を読んでいて、中国に行ってみたいな・・・と思っていました。
大学時代は体育会系のテニス部や司法試験の準備で時間がなかったのですが、司法試験が終わったあと結構時間があったので、『これは旅に行かなきゃいけない!』と思って中国旅行に出かけました。」

シルクロード方面を、たったひとりで旅されたとか。

「大阪から船で上海へ、そこから電車で甘粛省の蘭州へ、さらにそこからバスや鉄道で、パキスタンとの国境近くにまで延々と1人旅をしました。
およそ1ヶ月半ぐらいの旅でしたね。旅行にはウクレレぐらいの大きさのギターを持って行きました。
その頃はまだ中国語が出来なかったので、筆談でいくしかなかったのですが、言葉が通じない場面でギターを弾くと、コミュニケーションが取れるかな…と思ったんです。」

最近もまた、あまり観光客の行かない場所に行ってこられたんですね。

「2年前ですが、広西チワン族自治区へ行きました。
この省は、広東省の西隣・ベトナムや雲南省に隣接した広い省です。
ここの三江トン族自治県へ行ってきました。有名な観光地桂林から、バスで3時間ぐらいのところです。
トン族は風雨橋と呼ぶ、橋の上に立つお城のような建物で有名です。
街の入り口に橋を作る時、橋の上にやぐらのような立派な城砦を建てるのが特徴です。
観光地ではない村に行ったとき、たまたまトン族のお祭りに行き会って、少数民族のトン族の民族衣装を着て歌ったり踊ったり、列を作って歩いたりしているのが見られました。
よかったです。」

野田さんが、おひとりで、あまり観光地化していない場所、少数民族のすむ場所などを訪れたくなるのはどうしてなんでしょうか。

「趣味がオーソドックスでない(笑)。大都会ではない変わった所に行きたいんです。
それから、地方の素朴さに触れたいんです。
文明化していない所ほど、文化、文明について考えさせられることが多いです。」

ご自身のそんな中国の旅の体験は、現在のお仕事に、どんな影響を与えていると思われますか。

「大いに役だっていますね。
一般的に本やメディアで語られる中国人像と、自分が知った中国人像にはギャップがあります。
仕事上で、ふつうより深く相手方の理解ができるのではないかと思います。
少数民族の人たちはほんとうに素朴です。
ウイグル人など、ギターを弾いていると、町じゅうの人たちが集まってきて、一緒に楽しんでくれるような感じです。」

今度また「一人旅しよう!」と思っている所はありますか。

「実は、狙っているのはチベットです。
新婚旅行で行きたいと思っているんですが、『そんなことを言っているからなかなか結婚できないんだ!』と言われていますけれどね(笑)。」

最後になりましたが、中国に関わるお仕事で、これからやってみたいと考えているのはどんなことでしょうか。

「今扱っている仕事は、主として中国へ進出している大企業が相手で、契約書の法的アドバイスをすることが多いです。
今後は中小企業もどんどん中国へ進出していくでしょう。
費用、人材面でもアドバイスできる人が少ないので、出て行ってトラブルに巻き込まれることの無いよう、中小企業の方たちへのアドバイスをしていきたいと思っています。」


野田さんは、自分の旅の経験を通じて、中国人の素朴さ、人の良さ、親切心などを実感していられるようでした。実際に触れ合った人々との体験をもとに、偏見なく相手と付き合おうとする姿勢は素晴らしいな…と感心してお話をお聞きしました。




さて来週は、以前にお知らせしたとおり、11月2日に愛知大学名古屋校舎で行われた公開収録の模様をお届けします。
ゲストの小坂文乃さんは、辛亥革命の指導者・孫文を支援した梅屋庄吉のひ孫で、日本と中国にまつわる秘話が沢山出てきます。
どうぞお楽しみに・・・。



「チャイナ・なう」パーソナリティー 高野史枝



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